7歳のARちゃんと美術館巡り②「フィンランド・グラスアート」展で100点満点とっちゃった@東京都庭園美術館

7歳のARちゃんと大人のまいちゃんは、2人ともアートが好きで仲良しです。今日は、2人だけで目黒の東京都庭園美術館に「フィンランド・グラスアート展」を見に行きました。ARちゃんがぜひとも見に行きたいと選んだ展覧会です。

会場の入り口ですぐに見つけたのが、この「キッズ向けワークシート」。
なんだかとても面白そう。
「ARちゃん、これをやってみようよ」とまいちゃんが言うと、ARちゃんもノリノリで「うん!」。

まずは「作品の名前を調べよう」ということで、7つの作品の写真と作品名を線で結びつけるというミッションです。ARちゃんは、目をランランと輝かせて探し始めました。

「あった!」早くもARちゃんが見つけたのは「薔薇の花びら」という名前の作品です。確かに見た目もピンク色でハラリと落ちてきた花びらのようです。ARちゃんすごいね。

次の作品は、似たようなものもあってちょっと時間がかかりましたが、無事発見。「シャボン玉という作品です。

シートにはなかったけど、こちらの作品は不思議な形ながら気品があって気になりました。

グンネル・ニューマン 《エリザベス》1941年 展示風景より

作品名は「エリザベス」。
あのイギリスの女王エリザベス2世のために作られたものでした。
抽象的だけど、気品と威厳に満ちている彼女そのものに見えてきました。
「ARちゃん知ってる?」
と聞くと、「去年亡くなった女王様でしょ」ですって。
おお、結構時事問題にも詳しいのね。

色々見て回っていると、たまに作品のところに吹き出しがあって、日本語とフィンランド語が両方書いてあります。実はこれ、キッズワークシートとも関係があって、フィンランドの言葉と日本語を結びつけるミッションのヒントとなっていたのです。ARちゃんは、この吹き出しもぬかりなく見つけていきます。やりますね~。

入口の展示風景より

「家族」という名前の作品も見つけてご満悦のARちゃん。
「あっ、これはママが好きなエメラルドグリーンだ!」とステキな発見もありましたよ。

展示風景より、グンネル・ニューマン《カラー[T/75,6830]》(1946)展示風景より

今回展示してあるフィンランド・グラスアートがどのようにして作られるかがわかる映像を見られる部屋もありました。それほど長くないので2人で視聴。
あっ、キッズワークシートにグラスアートを作る順番を記入するところがありました。
「これは最初の場面だね、これはグラスが大きくなってから型に入れて息を吹き込んだ後だね」などと2人で話しながら順番を書き入れました。順調、順調。

さて、2階へ上がってみましょう。
フィンランドの風景写真を背景に、透明なガラス作品たちが美しい。

展示風景より、カイ・フランクの作品 展示風景より

「このくちばしが細長い鳥、入り口でもらった折り紙に載ってた」とARちゃん。
すごい記憶力だね!

《ヤマシギ》/ カイ・フランク (1953年) 展示風景より

しばらく見て回り、アーティスティックなガラス作品の数々に出会ったのですが。。。

展示風景より、カイ・フランクの作品 展示風景より
展示風景より、タピオ・ヴィルッカラ《パーダルの氷》(1960)展示風景より

ワークシートに載っている作品がなかなか出てこなくてARちゃんがちょっと残念そう(笑)。ARちゃん、想像以上にミッションのコンプリートに燃えているようです。
窓から見える庭園の景色が美しい市松模様の廊下でARちゃんの雄姿をパチリ。

階段を降りて、小さな部屋に入ると。。。
「あった!」とARちゃん。
ミッキーマウスみたいだねと話していた作品がそこにありました。

残るはあと2つ、「きっと新館にあるんだよ」と話しながら新館へ!
大きな展示空間に入るとすぐに、あった、あった。
2点続けて見つけましたよ。
「はちみつ」という作品と、「寿司」という作品。
「これ寿司に見えないね」というARちゃんの率直な感想が、まいちゃんにはむしろ面白く思われました。「まあ、確かにね~」。

ヨーナス・ラークソ《寿司》2015年 (写真右) 展示風景より

さあ、ハイライトのミッションは、「お気に入りの作品をひとつえらんでみよう」です。
こんなにたくさん見たけど、1つにしぼれるかな?
まいちゃんは、こちらの複雑ながら洗練されている透明&ブルーの作品を選びました。

展示風景より、オイヴァ・トイッカ《知恵の樹、ユニークピース》(2008)展示風景より
展示風景より、オイヴァ・トイッカ《知恵の樹、ユニークピース》(2008)部分

ARちゃんは?
「これ!」と即答。

展示風景より、オイヴァ・トイッカ《アートグラス、ユニークピース》(1971)

赤と白のお花みたいでかわいいね。
作品の名前や、作った人の名前もちゃ~んと書き込みます。
あら、作者は、オイヴァ・トイッカ(OivaToikka)さんで、まいちゃんが選んだ作品の作者と同じ。気が合うね!

キッズワークシートをコンプリートして、手際よくミッションを達成した007のような気分になった2人は、意気揚々と風を切って出口に向かいました。

さあ、答え合わせだよ。
「やったー!全部あってる」とARちゃん
「100点だよ」とまいちゃん。

大満足で美術館を後にしたARちゃんとまいちゃんでした!

【展覧会基本情報】
フィンランド・グラスアート 輝きと彩りのモダンデザイン
会期:2023年6月24日〜9月3日
会場:東京都庭園美術館
住所:東京都港区白金台5-21-9
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし7月17日は開館)、7月18日
料金:一般1400円/大学生(専修・各種専門学校含む)1120円/中学・高校生700円/65歳以上700円
※日時指定の事前予約制

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評者: (KIKUCHI Maiko)

アーティストと交流しながら美術に親しみ、作品の鑑賞・購入を促進する企画をプロデュースするパトロンプロジェクト代表。東京大学文学部社会学科修了。
英国ウォーリック大学「映画論」・「アートマネジメント」両修士課程修了。
2014年からパトロンプロジェクトにて展覧会やイベントを企画。2015年より雑誌やweb媒体にて美術記事を連載・執筆。
特に、若手アーティストのネームバリューや作品の価値を上げるような記事の執筆に力を入れている。

主な執筆に小学館『和樂web』(2021~)、『月刊美術』「東京ワンデイアートトリップ」連載(2019~2021)、『国際商業』「アート×ビジネスの交差点」連載(2019~)、美術出版社のアートサイト 「bitecho」(2016)、『男子専科web』(2016~)、など。

主なキュレーションにパークホテル東京の「冬の祝祭-川上和歌子展」(2015~2016)、「TELEPORT PAINTINGS-門田光雅展」(2018~2019)、耀画廊『ホッとする!一緒に居たいアートたち』展(2016)など。」

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