中屋敷智生と光島貴之の2人展「〈みるものたち〉展」紹介とKOKI ARTS「パラリズム」展予告:多感覚が織りなす「みる」の再構築

 現在、BUG(東京・グラントウキョウサウスタワー1F)にて開催中の中屋敷智生と光島貴之による二人展「〈みるものたち〉展」(2025年6月4日~29日)は、「みる」という行為の多義性と奥行きに、鑑賞者の意識を深く誘う画期的な展覧会である。

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会場入り口の掲示:本記事の写真は全て筆者撮影(2025年6月11日)

 京都に住んでいる私にはこの2人の組み合わせや近年の様々なコラボレーションと活動は周知のものではあるが、他のエリアの方々にはまだ親しみのない可能性もあるので老婆心ながらご紹介したい。

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アトリエみつしま(京都市)「まなざしの傍ら」展 入り口(2023年10月17日 )
アトリエみつしまは元々織物会社の建物で、工場と事務所など複合的な用途を持った室内をリノベーションし、アートギャラリー兼制作アトリエとして2020年に開業。
ギャラリー名は「Sawa-Tadori」といい、「さわってたどる」という言葉から名づけられている。
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「まなざしの傍ら」展には光島と中屋敷の他に、松井利夫先生やサトウアヤコ、片山達貴といった作家たちが参加。片山は「〈みるものたち〉展」の会場に流れる映像も担当している。
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アトリエみつしま(京都市)「まなざしの傍ら」展 会場風景 光島+中屋敷 展示会場
(2023年10月17日 )
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アトリエみつしま web site
https://mtsm.jimdofree.com

「全盲の光島貴之と色弱の中屋敷智生」という紹介のされ方は個人的には少し強い言葉というか属性を限定しすぎた言い方のようにも感じられるが、それぞれ独自の知覚を通して世界を捉える二人の美術作家の作品を通して、視覚中心主義に陥りがちな私たちの「みる」という認識を揺さぶり、より豊かな世界像の構築を促す展覧会であることは…

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https://note.com/kkatsumata/n/nff9925450795?sub_rt=share_sb

 

 

 

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早稲田大学法学部卒業、インターメディウム研究所修了。幼少時より音楽と文章制作に注力。大学在学中からさらに絵画、写真、映像などの作品制作に移行。国内外で様々な職業に従事した後、発表を開始。インスタレーションから出発し、主に写真を中心とした映像メディアで作品を制作。多様な被写体と実験的な手法により、日常の内に現象しながらも知覚されることのなかった世界を掬い取ることで、観る者を新たな認識へと誘う。歴史・社会・文明への批評的な暗喩を込めた作品展開を続けている。近年は医療や環境をテーマとしたインスタレーションの一方でパフォーマンスも行う。 主な展覧会に「写真の現在2 —サイト— 場所と光景」(東京国立近代美術館、2002年)「都市の無意識」(同、2013年)「あいちトリエンナーレ2016」(岡崎康生会場、「トランスディメンション —イメージの未来形」2016)。主な受賞に「日本写真協会新人賞」(2005年)。主な作品集及び編著に『Compilation of photo series until 201X Vol.1』(Media Passage、2018)、『写真2 現代写真 行為・イメージ・態度』(京都芸術大学東北芸術工科大学出版局、2021)。