骨董が現代アートとマリアージュ?!OKETA COLLECTIONいいね!

コレクターさん達が倉庫に預けてある作品って、基本的には人目に触れない知られざる宝物。 その発想を転換して、 倉庫に預かっている作品を、 倉庫自体をミュージアムとしてお披露目することを始めたのが寺田倉庫さんの「WHAT MUSEUM」@東京・天王洲。

「こんなにすごい大コレクションが日本にあったんだ!」 というサプライズを 企画展のたびに巻き起こすと同時に、 「あの大物コレクターが寺田倉庫さんに預けていたのね!」 ということも分かって二重にエキサイティングです。

第1弾「高橋龍太郎氏、A氏」、 第2弾「大林剛郎氏」ときて、 第3弾は「 OKETA COLLECTION」。長年ファッションビジネスに 携わってこられた 桶田俊二・聖子夫妻が2000年代より始めたコレクションです。

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コレクション方法としてまず大切にしていらっしゃるのが「一目惚れ」とのこと。 30分も考えて迷うような作品は購入なさらないそうです。 この確信に満ちた「美意識」が突き抜けたコレクションに繋がっているのですね。

さて今回のOKETA COLLECTION「Mariage −骨董から現代アート−」展。テーマの「Mariage(マリアージュ)」はフランス語で、ド直球で言うと、「結婚」や「婚姻」を意味する言葉。グルメの方にはもちろん、 「ワインとチーズのマリアージュ」 のようにおなじみの言葉だと思います。

展覧会では何と何がマリアージュしているのでしょうか?
なんと、 アートとアート同士なのです。
そして特に、 「骨董」と「現代アート」の幸せなマリアージュに立ち会うことができるのです!
ここでちょっとマリアージュについて考えてみたいのですが、 単に何かと何かがペアになればいいというものではありません。 特に異質なもの (同質なものでも良いのですが) が一緒になった時にそれぞれが持っている要素が絶妙にブレンドすることでその合体が何百倍もの魅力を発揮するのがマリアージュです。

ワインがお好きな方は経験があると思いますが、 単体ではニガ渋い水のようだった赤ワイン(これが高級なボルドーワインだったりすると自分が相当な味音痴に思えてがっかりしてしまう。。。)が、 まろやかなカマンベールと合わせて飲んだ途端に芳醇な香りと甘味が一気に花開いて別世界に飛べたりします。 その時、単体では素朴なチーズとして美味しいだけだったカマンベールも、 ワインの渋みと重厚感がチーズに元々備わっていた深い塩味やコクと一緒になって旨味成分のかたまりと化すのです。
この素晴らしいマリアージュが起こるかどうかは、 選ぶ人のセンスにかかっています。
ワインと食べ物であれば、 やはり、難関の試験を突破した上で日々研鑽を積まれているソムリエさんがいらっしゃいます。

そして「OKETA COLLECTION」には桶田俊二・聖子 夫妻あり!
まずは論より証拠。見てみましょう。

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李朝白磁壺(手前)とラシード・ジョンソン《I’ve Known Rivers》( 後方向かって左側)です。

まず、 モノクロの現代アート作品に囲まれていることで、 ぱっと見手前の李朝白磁壺も現代アーティストの作品のような佇まいです。 そしてまた後方に見えるミラータイルを用いた抽象画が、ツボから飛び出てきたアバンギャルドな書のように見えたりします。
お互いが時代をまたぎ、西洋と東洋をブレンドさせてエキゾチシズムをゲットしていて 魅力倍増。

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展示風景より

こちらも素朴な籐の民芸籠や曜変天目茶碗がメル・ボックナー 《Blah, Blah, Blah,2015》と見事に融合して新しい立体空間を演出しています。
特に、 絵に描いてある「BLAH BLAH BLAH」は、「うんたらかんたら」など言葉を発している状態を表現しているので、手前の骨董品たちがおしゃべりをしているようにも見えます。

 このように、そこかしこで めくるめくマリアージュが展開されている「 OKETA COLLECTION」展ですが、特に骨董品・工芸品が、「 アート」そしてその価値をぐぐぐっとアップしているように感じられます。

ともすると、骨董品・工芸品は、アーティストの作品というよりは、職人による日用品といったイメージもありますので、歴史と超絶技巧があるのに、現代アートのように高値が付きづらいという話も耳にすることがあります。
でもこのように、現代アート作品とばっちりマリアージュしていると、その造形や緻密な造りがアートのオーラをまとっていることがわかります。
骨董品・工芸品だけが集まっている展覧会ですと、そのアートのオーラがよく分からなかったりするのですが。。。

OKETA COLLECTION「Mariage −骨董から現代アート−」展では、もしかして、「骨董」が「現代アート」と「玉の輿婚」してるのかも!なんて考えるとまた面白くなってきました。

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展示会場での桶田俊二・聖子夫妻。

アートと夫妻もマリアージュ!
OKETA COLLECTION「Mariage −骨董から現代アート−」展では多くの作品が撮影可能なのも嬉しいところ。
※撮影の条件については会場でご確認ください。

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筆者も、大好きなマンゴ・トムソン《November 14, 2016(The End is Near)》と マリアージュ!?あっ、この作品、鏡の方を見てTIMEの表紙になりきるのがポイントなのに。。。間違ってカメラ目線になってしまった。。。まだまだ修行が足りない!!

【開催概要】
展覧会名:OKETA COLLECTION「Mariage −骨董から現代アート−」展
会期:2022年4月28日(木)〜7月3日(日)
会場:WHAT MUSEUM 2階 (〒140-0002 東京都品川区東品川 2-6-10 寺田倉庫G号)
開館時間:火~日 11時~18時(最終入場17時)月曜休館(祝日の場合、翌火曜休館)
入場料:一般1,200円、大学生/専門学生 700円、高校生以下 無料
※同時開催の展覧会の観覧料を含みます
※プレス向け内覧会にて許可を得て撮影しています

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評者: (KIKUCHI Maiko)

アーティストと交流しながら美術に親しみ、作品の鑑賞・購入を促進する企画をプロデュースするパトロンプロジェクト代表。東京大学文学部社会学科修了。
英国ウォーリック大学「映画論」・「アートマネジメント」両修士課程修了。
2014年からパトロンプロジェクトにて展覧会やイベントを企画。2015年より雑誌やweb媒体にて美術記事を連載・執筆。
特に、若手アーティストのネームバリューや作品の価値を上げるような記事の執筆に力を入れている。

主な執筆に小学館『和樂web』(2021~)、『月刊美術』「東京ワンデイアートトリップ」連載(2019~2021)、『国際商業』「アート×ビジネスの交差点」連載(2019~)、美術出版社のアートサイト 「bitecho」(2016)、『男子専科web』(2016~)、など。

主なキュレーションにパークホテル東京の「冬の祝祭-川上和歌子展」(2015~2016)、「TELEPORT PAINTINGS-門田光雅展」(2018~2019)、耀画廊『ホッとする!一緒に居たいアートたち』展(2016)など。」

https://patronproject.jimdofree.com/

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