京都のアートフェアACKに合わせて2泊3日🍁紅葉きらめく京都でユニークなアート&グルメ体験記

インターナショナルで洗練されたアートプログラム満載のArt Collaboration Kyoto (ACK)は今年2025年で5回目。紅葉が彩る美しい京都での恒例のアートイベントとして定着しつつあり、東京から訪れるアートラバーの数も年々増えています。おかげで私も、11月のこの時期に京都を毎年訪れるようになりました。今回は、ACK開催期間中ならではの2泊3日の京都滞在記です。

2025年のACKのアートフェアは、11月14日12時から16日まで国立京都国際会館にて開催されました。世界屈指の老舗から新進気鋭のギャラリーまで、世界トップクラスの72ギャラリーが出展。
京都で世界のアートシーンを満喫できるのです。日本のギャラリーがペアとなる海外のギャラリーを招待する形で1つのブースにペアで出展しているのがステキ。アメリカやイギリスなどはもちろん、ポーランドやジョージアなど、なかなか訪れる機会がない国からも発想豊かでサプライジングな作品がいろいろ。100,000円以下の小さな作品でキラッと光るものもあったりして良い感じでした。

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木で組み立てたシンプルなブースが心地よい
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今回シンボリックだった巨大なツボの作品
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菅木志雄さんの作品
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コリドーには未来的な映像作品と彫刻
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安田 侃さんの作品も!11,000,000円でした。1桁少なければなぁ(笑)
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気になっていたギャラリーKANEGAEのブースはやはり見応えあり!ずらりと並んだ野口寛斉 さんの白と黒の焼き物は、いつ見ても魅力的。近い将来手に入れたいかも!
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VIPラウンジではポメリーのシャンパンをいただきながらくつろげます。
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ミヅマアートギャラリーのブースでは、青山悟さんが参加型の作品を展開。南海トラフ地震の被害がありませんようにと丸いフェルトを好きなところに貼ると、それを後から青山さんが縫い付けてくれるとの事!これに参加すると、丸いフェルトを買ったことになり、レシートももらえます!
※青山悟さんは、産業革命以降手仕事を代替してきた機械の象徴として工業用ミシンを用いた刺繍作品を発表してきました。社会問題や忘れ去られていく存在を緻密かつ繊細な刺繍によって縫い止めた作品は、近年ますます高く評価されています。
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青山悟さんの参加型アートに参加してゲットしたレシート。100円とは今回のアートフェアで最安値の作品では?!
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アートフェア会場にはこのようなくつろぎのスペースもあり。

ACK VIPプレビューの夜を彩る特別なひととき「ACK NIGHT」の会場は、フォーチュンガーデン京都。近代建築の巨匠・武田五一が設計し1927年に誕生した島津製作所旧本社ビルをリノベーションした場所です。バーカウンターのあるラウンジでは、ポメリーのシャンパンとフィンガーフードが振る舞われました。東京都内でよくお見かけするアート関係者の方々にもたくさんお会いしてお話が弾みました。これだけたくさんのアート関係者を東京から呼び寄せるとは、Art Collaboration Kyotoのマグネティックパワーすごい。京都市内各所の自社仏閣やスペシャルな場所でのアートイベントやVIPプログラムが充実していることも、多くの皆さんを魅了しているのだと思います。

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「ACK NIGHT」にて、お庭でパフォーマンスを始めたのは、なんとアメリカ在住で世界各地でご活躍の荒川ナッシュ医(Ei Arakawa-Nash)さん!荒川さんは2026年開催のヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表アーティストです。
ヴェネチア・ビエンナーレで展開する作品に関連するパフォーマンスを実施してくれてとても貴重な機会でした。「子供の歌を知っている方は出てきて歌ってください」と観客も巻き込んで、和気あいあいと大盛り上がり♪

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右側のマイクを持つ男性が荒川ナッシュ医さん

次の日は、まあまあ早起きして、祇園の立礼茶室「然美」(りゅうれいちゃしつ「さび」)でコンテンポラリーアートのような茶会を体験。
厳選されたお茶とともにオリジナルの和菓子をコース仕立てで少人数で満喫できるACK特別コース(お菓子3種・お茶3種)♪
正統派の抹茶や煎茶に加えて、冷たいカクテルのようなお茶もあり、クリエイティブ。和洋折衷のスイーツも麗しくお茶と絶妙なコンビネーションでした。8人ほどの参加者同士も、海外の方も含めて穏やかな会話が弾んで良い雰囲気でした。アーティスティックなクリエイティブスペースである立礼茶室「然美」を知ることができてとてもよかったです!また訪ねたい場所😃そうそう、使われていた器が、アートフェアの会場でも気になっていた野口寛斉 さん作のものでうれしかった!

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ミルクとレモンとチョコレートの風味が絶妙にマッチした お菓子
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野口寛斉 さんのお茶碗がずらり♪これでお茶をいただけるなんて嬉しい!
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山椒や生姜の風味が効いた魔術的な飲み物
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お菓子はチョコレートのムース
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お店のスペシャルブレンドは柑橘の風味がほのかに効いた、絶妙に美味しい煎茶
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夜は、「じき 宮ざわ」というミシュラン一つ星のお店を予約していたのですが、正当派和食の中に実験を重ねたクリエイティビティを発揮した美味しさが光る素晴らしいお料理の数々をいただくことができました。店主を始めとして、お店の皆さんが温かくかつスマートなホスピタリティー全開でもてなしてくれて楽しくおいしかった!お客さんは7人で、そのうちベルギーからの夫婦とアメリカからの夫婦が1組ずつ。皆さん上品でステキでした。このお店も、次回京都にたらまた予約したいな!

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四角いのが特徴の四方竹が美味。カニと菊の花のジュレと黒舞茸と共に。
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白身魚と青パパイヤのお吸い物がやさしい。出汁素晴らしい!
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10キログラム以上のカンパチを熟成したというこのお刺身は、カンパチという概念を超えたスーパーフィッシュなおいしさ。テクスチャーもヌメトロでグッド。大トロよりも脂がのっている!
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中がとろりとしたこの胡麻豆腐はお店の名物。 極上のコク!
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アオリイカとみかん揚げ。みかん揚げは、 揚げた後に一旦冷ましてから 炙ったもの。 不思議なもちもち感に、 芳醇な甘みと酸味が同居していて美味しい! すごい発明。
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3日目は、2024年に「開創1150年記念 醍醐寺 国宝展」に合わせたインタビュー記事を日本経済新聞の「art NIKKEI」に寄稿して以来行ってみたいと思っていた醍醐寺へ行きました。想像以上に紅葉が進んでいて、輝く緑と赤と黄色のハーモニーが眩しく美しかった!インタビューで、醍醐寺は山寺で、下醍醐と上醍醐に分かれていることを学んでいたので、「山の上に広がる上醍醐へ行かずして醍醐寺に行ったとは言えない!」と意気込んでいた私。下醍醐から上醍醐までは徒歩60分ほどと書いてあったので、結構長いなぁと思っていたのですが。。。行ってみてわかったのは、途中高低差が結構大きく、かなりスパルタな道だということ!(汗)。
京都は山の麓あたりで熊の出没情報も多かったので、足を踏み入れてみて、ちょっと怖くなるほど山深く「やばいかな?」とも思ったのですが、引き返すなどと言う言葉は私の辞書にない!ということで前進しました。でもダンナさんが一緒でなかったら、ヒヨって戻ってきていたかも?!(笑)。昨日までアートフェアで気取ったマダム風を装っていたのに、醍醐寺では必死の形相で汗だく(笑)。でも、平安時代から続くエリート山寺の厳しい側面を身体全体で体験できてよかったです!

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五重塔は、この日から特別に2週間だけ中を公開していました!
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醍醐寺の後は、ACKと時期を重ねてスタートしたもう一つのアートフェアCURATION⇄FAIR Kyotoへ向かいました!大本山 妙顕寺を舞台とするアートフェアと名勝・渉成園での現代工芸作品展というように二箇所で開催していたのですが、時間の関係で渉成園のみ行きました。注目していた現代工芸作家さんの作品も何点か見ることができ、ライトアップされたお庭で軽くレセプションに参加してから京都駅へ!

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最終日は険しい山も含めて鬼のように歩き、24,000歩越えでした(笑)。
知力も体力もフル活用した?!アートな京都滞在2泊3日、素晴らしかったです♪ Art Collaboration Kyotoさん、CURATION⇄FAIRさん、そして付き合ってくれたダンナさん、ありがとう!!!また来年も来たい!!!

 

 

 

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アーティストと交流しながら美術に親しみ、作品の鑑賞・購入を促進する企画をプロデュースするパトロンプロジェクト代表。東京大学文学部社会学科修了。 英国ウォーリック大学「映画論」・「アートマネジメント」両修士課程修了。 2014年からパトロンプロジェクトにて展覧会やイベントを企画。2015年より雑誌やweb媒体にて美術記事を連載・執筆。 特に、若手アーティストのネームバリューや作品の価値を上げるような記事の執筆に力を入れている。 主な執筆に小学館『和樂web』(2021~)、『月刊美術』「東京ワンデイアートトリップ」連載(2019~2021)、『国際商業』「アート×ビジネスの交差点」連載(2019~)、美術出版社のアートサイト 「bitecho」(2016)、『男子専科web』(2016~)、など。 主なキュレーションにパークホテル東京の「冬の祝祭-川上和歌子展」(2015~2016)、「TELEPORT PAINTINGS-門田光雅展」(2018~2019)、耀画廊『ホッとする!一緒に居たいアートたち』展(2016)など。」