神戸の地で、アートを介して人と社会がつながる、まったく新しい「学びとつどいの場」が、いよいよこの8月末から始まります。その名も【ARTS STUDY 2025】。単なる知識のインプットに留まらない、対話と交流を核とした7ヶ月間のアートジャーニーです。
あなたもこの特別な機会に、第一線で活躍するアーティストや研究者、そして同じ志を持つ仲間たちと共に、アートの深淵を覗き、語り合い、思考を巡らせてみませんか?
🔳主催はあの C.A.P. (特定非営利活動法人 芸術と計画会議)— なぜ「神戸」で学ぶのか 🏛️
このプログラムを主催するのは、長年、神戸を拠点に活動を続けるC.A.P.(特定非営利活動法人 芸術と計画会議)(※1)です。C.A.P.は単にアートを「見せる」だけでなく、アーティストと市民が日常的に出会い、語らい、共に創造する「ひらば(Open Place)」を運営してきました。彼らにとってアートとは、美術館に鎮座するだけの高尚なものではなく、私たちの生活や社会と地続きにある、きわめて身近な知的実践なのです。
では、なぜ「神戸」なのでしょうか。歴史的に多様な文化を受け入れ、新たな価値観を育んできた港町・神戸。そして、震災という大きな経験を経て、人と人との繋がりや文化の持つ力を社会の隅々で見つめ直してきた街、神戸。
この街でアートを学ぶことは、作品や知識に触れるだけではありません。アートが社会とどう関わり、コミュニティの中でいかに息づくのかを肌で感じることのできる、またとない機会なのです。【ARTS STUDY 2025】は、まさにそんな神戸の精神を体現したプログラムと言えるでしょう。

C.A.P.(特定非営利活動法人 芸術と計画会議)外観
🔳 ただ学ぶだけじゃない。ここは、アートでつながるコミュニティ
【ARTS STUDY 2025】が目指すのは、一方通行の講義ではありません。講師と参加者、そして参加者同士がフラットにつながり、自由に意見を交わす双方向のコミュニケーションです。
講義の後には、和やかな雰囲気の「交流会」も。そこでは、講義中の疑問を気軽に問いかけたり、参加者それぞれの視点を共有したりと、さらなる学びと発見が生まれるはずです。一人では得難い学問の時間と出会いを大切にし、クリエイティブな思考を刺激し合う。ここから、あなたの新しい物語が始まるかもしれません。
🔳好奇心を刺激する、珠玉の講座ラインナップ 🧠✨
8月末から翌年2月にかけて展開されるプログラムは、まさに知の饗宴。連続講座と単発講座を組み合わせ、あなたの興味関心に合わせた参加が可能です。
【各3回連続コース】
特定のテーマを深く、多角的に掘り下げます。
■戦後日本を代表する前衛グループ『具体』
あの「具体」とは一体何だったのか?関西万博が開かれる今、大阪万博での「具体」について、美術史家・平井章一氏とその光と影を辿ります。
■ヨーゼフ・ボイスと考える
人は誰もが芸術家であるという「社会彫刻」の概念を生み出したボイス。芸術という営みをとおして、私たちの社会を変革しようと本気で考えていたアーティストについて、つまり社会と芸術の関係性を国立国際美術館の福元崇志氏と問い直します。
■音楽
アーティストの藤本由紀夫氏と共に、音以前の「音」から音楽の根源を探求する刺激的なセッション。
■展覧会の作り手
美術館の展覧会や国際展、アートプロジェクトがどのように生まれ、つくられるのか。国際的に活躍するキュレイターに、様々なアートの「現場」をリアルに聞く貴重な機会。
■展覧会とカタログ
展覧会カタログとは何なのか?世界的なブックメイカー、デザイナーがその限界と可能性、そして未来について説く。
■Artist ゼミナール 榎忠
半刈りでハンガリーに行った伝説の男、榎忠の作品を1講座1作品深堀りする。4カ月かけておへそに万博のマークを日焼けさせた男、摩耶山から25メートルの松を美術館まで運び込み美術館を貫通させた男(たち)、宇宙ゴミ問題から発想して自身最大最重量級作品をつくった男の話です。
【単発講座】
気軽に参加でき、新たな発見がある一日。
■ARTSの遠足@兵庫県立美術館
コレクション展の鑑賞と学芸員の講座から、美術館の顔である収蔵品と常設展についてあらためて考える特別な体験。
■Artist Study
今、最も注目すべきアーティストたちの思考に触れる貴重な機会。彼らは何を考え、どう活動しているのか?
■ARTS STUDY読書会・交流会
関心のある人たちが気軽に集まる時間と空間。まずはアートブックの持ち寄り会をきっかけに、参加者同士でテーマを決めて開催してゆきます。
多彩な講師陣には、関西を拠点に世界的に活躍するアーティスト、キュレーター、研究者、デザイナーたちが集結。彼らの生の声と思考に触れることで、あなたの世界はきっと、より豊かに、より鮮やかに色づき始めるでしょう。
🔳さあ、知と感性の冒険へ
この秋、新しい自分に出会う準備はできましたか?アートという羅針盤を手に、まだ見ぬ世界へ。私たちと一緒に、知的好奇心を満たす旅に出かけましょう。席には限りがあります。心震える体験が、あなたを待っています。

【ARTS STUDY 2024】の講座の様子 ART講座はいつも満員御礼 神戸 URBAN PICNICにて
【ARTS STUDY 2025 開催概要】
期間: 2025年8月24日(土)~2026年2月27日(金)
会場:KOBE STUDIO Y3、BARまどゐ、神戸旧居留地高砂ビル4階412号室、兵庫県立美術館 ほか
参加:アートがお好きな方ならどなたでもご参加できます
詳細・お申し込み:講座の詳細なスケジュールやお申し込み方法は、下記の特設サイトをご確認ください。
講座の詳細なスケジュールやお申し込み方法は、下記の特設サイトをご確認ください。
【ARTS STUDY 2025】特設サイト
あなたのご参加を、心よりお待ちしております。
注釈
(※1)C.A.P. (特定非営利活動法人 芸術と計画会議)に関する記事
+5 (プラスファイブ) – アーティストの連帯が街に浸透する C.A.P. (芸術と計画会議) の試み<前編>
+5 (プラスファイブ) – アーティストの連帯が街に浸透する C.A.P. (芸術と計画会議) の試み<後編>
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👇ここからは直近の講座のお知らせです。
【ARTS STUDY 2025】アートの学びとつどい、はじまります!

【① 特殊講義1】“具体”と万博、その光と影 — 8/24(日)開催!


【② 特殊講義2】“具体”にとって大阪万博とは — 9/5(金)開催!

☞ “語られなかった”大阪万博の影の部分に光をあて、具体美術協会の本質を多面的に見つめ直す90分。夜のBARという空間だからこそ、対話が弾む予感…!歴史も、批評も、今だからこそ面白いと思えるテーマです。
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【講座内容1-①②】
今年は大阪で55年ぶりに万博が開かれています。前回の1970年の大阪万博では、高度経済成長時代を背景に、テクノロジーに支えられた便利で豊かな近未来像が提示され、その具現化に多くの美術家が参画しました。地元関西で新しい美術を切り開いてきた具体美術協会(「具体」)もまた、意地を見せるかのように、パビリオンでの展覧会だけでなく、太陽の塔の裏側にあった「お祭り広場」で壮大なイベントを開催しています。「具体」は、このあとまもなくしてリーダーの吉原治良の急死により解散しますので、大阪万博は結果的に「具体」の活動のフィナーレを飾る場となりました。
第1部では、そうした展覧会やイベントを記録写真、映像などで仔細に検証し、「具体」が大阪万博で表現しようとしたものとは何だったのかを振り返ります。一方で、当時の美術家がもろ手を挙げて大阪万博に賛同したわけではありませんでした。時は学生運動まっさかり。若い美術家たちを中心に、国家主導の近未来のイメージづくりに美術家が加担することへの反対運動があり、「具体」のなかにも彼らの意見に密かに共鳴するメンバーがいました。また、それまで経験したことのない規模の展覧会やイベントは、「具体」の基盤をゆるがす問題ももたらしています。
第2部では、これら語られてこなかった大阪万博の「影」の部分に目を向け、光と影を併せ見ることにより、「具体」というグループの本質について考えてみたいと思います。
*1-①はARTS STUDY2025スタート講座です。JR芦屋駅に集合し、講師と一緒に「具体」ゆかりの地である芦屋川周辺を散歩、案内後、美術館にて「具体美術協会と芦屋、その後」展の展覧会鑑賞と展覧会担当学芸員によるギャラリートーク、レクチャールームで講師による講座を開催します。






📚 【ARTS STUDY 2025】特設サイト

【ARTS STUDY 2024】のパンフレットと講座資料