Photo report「Memoire et Lumiere 佐々木 類×船越 菫」@高島屋美術画廊X 見た人:勝又公仁彦

2023年7月6日観覧

佐々木さんの作品ではLEDを仕込んであるものの方が所有欲をくすぐられました。売れるといいですね。いっぱい売れますように。私祈ってます。もちろん船越さんのも。

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以下ギャラリーのweb より

https://www.takashimaya.co.jp/nihombashi/departmentstore/topics/1_2_20230519144348/?category=art#contents

■2023年6月28日(水)→7月17日(月・

■本館6階 美術画廊X

今展は、記憶と光をテーマに作品を制作する作家による二人展です。
ガラスという素材を記憶の容れ物、保存メディアと捉え、作品を制作する佐々木類。自身が様々な土地で植物を採集し、板ガラスに挟んで電気炉で焼成したシリーズは、植物がその姿を留めたまま白い灰となり、光に照らされることで含む水分に至るまでの「自然の呼吸」が可視化され、時空を超えた土地の記憶さえも呼び起こします。
一方で、筆跡をなくす油彩表現により、焦点をずらし曖昧で多義的なモチーフを重ね、光や空間の実在感を画面に取り込みながら人の記憶と光の関係を基軸に精力的に発表を続ける船越菫。時間の経過とともに朧気ながらわずかに残る一遍のモノや情景。確かにそこに存在したであろう記憶とも呼べる儚くも淡い想いを丁寧に集積し定着させた立体、平面のそれぞれが、空間を照らす光によって様々に乱反射し、我々自身の記憶とリンクしながら拡がりをみせていきます。
二つの異なる表現が、それぞれの個性と重なりそして反射し映り込みながら醸す光の変容によって記憶として織りなしてゆく特別な空間を、この機会にぜひご高覧ください。

https://www.takashimaya.co.jp/nihombashi/departmentstore/topics/1_2_20230519144348/?category=art#contents

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評者: (KATSUMATA Kunihiko)

早稲田大学法学部卒業、インターメディウム研究所修了。幼少時より音楽と文章制作に注力。大学在学中からさらに絵画、写真、映像などの作品制作に移行。国内外で様々な職業に従事した後、発表を開始。インスタレーションから出発し、主に写真を中心とした映像メディアで作品を制作。多様な被写体と実験的な手法により、日常の内に現象しながらも知覚されることのなかった世界を掬い取ることで、観る者を新たな認識へと誘う。歴史・社会・文明への批評的な暗喩を込めた作品展開を続けている。近年は医療や環境をテーマとしたインスタレーションの一方でパフォーマンスも行う。
主な展覧会に「写真の現在2 —サイト— 場所と光景」(東京国立近代美術館、2002年)「都市の無意識」(同、2013年)「あいちトリエンナーレ2016」(岡崎康生会場、「トランスディメンション —イメージの未来形」2016)。主な受賞に「日本写真協会新人賞」(2005年)。主な作品集及び編著に『Compilation of photo series until 201X Vol.1』(Media Passage、2018)、『写真2 現代写真 行為・イメージ・態度』(京都芸術大学東北芸術工科大学出版局、2021)。

http://www.kunihikokatsumata.com

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