岩泉慧個展「なにごとのおわしますかはしらねども-七越の峰を超えて-」

岩泉慧個展「なにごとのおわしますかはしらねども-七越の峰を超えて-」

岩泉慧個展「なにごとのおわしますかはしらねども-七越の峰を超えて-」展が開催されます。以下、要旨になります。是非ご高覧ください。
eTOKI編集部

会期:2022年3月9日(水)~3月13日(日)11:00~17:00
会場:kumagusuku
〒604-8805 京都市中京区壬生馬場町37-3
https://kumagusuku.info/events/2593

展覧会概要

“ なにごとの おはしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる”

西行が伊勢神宮に参詣した際に詠んだとして知られるこの歌は東洋の宗教観を表す代表的な歌とされ、なにもないがそこに佇む気配や存在に対して人々はそれを神として畏敬の念をはらってきた。人はそれを神気と称したりする。かつてのような信仰心を持ち合わせていない現代の私達でも神社の鳥居をくぐるとそれまでの空気とどこか一変することを感じ取ることができる。現代社会に生きる我々には失われつつあるこの身体性をデジタルデータでもってしてその感覚に近づけるのではないか。

本展覧会では川、滝、岩など神道における原初の自然崇拝の形を色濃く残す熊野地方が主たる舞台である。この地を訪れ、この地における神域の気象データを入域- 参拝- 出域までの詣でる一連の行為と共に計測し、それを山水の形に託した。

データより表出された図像は現代における新たな神気の表象かもしれない。

作家プロフィール
岩泉 慧
美術家、京都芸術大学 日本画コース専任講師、PIGMENT TOKYO元館長。
2015年に絵画表現における膠の使用方法の論文で博士号を取得。京都芸術大学や画材メーカーにて膠を基点とした様々な画材の研究、指導を行いながら、作家としても画材研究で培われた知識を取り入れ、物質存在に関する事象をコンセプトに据え、作家活動を行っている。

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