メトロポリタン美術館展のヴィーナスに注目✨愛と美とトキドキ失恋?!一緒に奔放になっちゃおう!

聞きしに勝る選りすぐり!
ヨーロッパの名画65点(うち46点は日本初公開)が、ついにニューヨーク・メトロポリタン美術館からやってきました。
国立新美術館にて2022年5月30日まで。

画像でしか見たことがなかった憧れの名作多数♪
「 お~! 」と65回立ち止まって(全作品かい!)感嘆の声を上げる勢い。

この記事では中でも際立って魅力を振りまいていた愛と美の女神ヴィーナスが登場する3点にフォーカスします。

人間の男性に振られてしまうヴィーナス!

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ 『ヴィーナスとアドニス』 1550年代 展示風景

複雑に編み上げられた金髪が麗しいヴィーナス登場! 官能的な裸体の後ろ姿を惜しみなく見せているのですが、 いつものように悠々としている感じではありません。
「あなた行かないで」と追いすがってる恰好なのです。
お相手は?
アドニスという人間の青年! うら若く、 年下っぽい。。。

相当な美貌で知られていたそうですが、 この絵から見るとそうでもないかな。。。(失礼!💦)
百戦錬磨の愛と美の女神 ヴィーナス様とあろうお方がなぜこんなに! と感情移入。いたずら息子のキューピットの矢に射られて、 図らずも盲目の恋に落ちちゃったみたい。
なんと、 アドニスは彼女に冷たい一瞥を投げ、 振り切って趣味の狩りに出掛けてしまいます。 まあそこでイノシシに殺されてしまうのですが。

とにかく、 この絵から再度確信した恋愛の法則は

「 女性が男性を追ってはいけない!」

これはとにかく女性が振られる構図。 きっと古今東西普遍的な法則なのだろうなあ。女神と人間の間にもばっちり当てはまってしまうのだから。

妙に納得しつつも、 この後本気で悲しんだというヴィーナスに思いを馳せ、 その純粋さが可愛らしいなと思いました。

ここ一番という時に栄光を勝ち取るヴィーナスの機転

ルカス・クラーナハ(父)《パリスの審判》1528年頃 展示風景

かの有名な「パリスの審判」を描いた一枚がここに。
「最も美しいものに」 と記された黄金のリンゴを奪い合う三美神のお話。
もちろん勝つのはヴィーナス。

でもこの戦い、 世界一の美神として未来永劫その名を刻むかどうかを決めるとても重要な場面だったのですよね。きっとそれが分かっていたからこそ、 ヴィーナスは全身全霊を賭けて勝ちにいった。

ところでここでちょっと考えておきたいのは、 この絵の中でヴィーナスは どの方?
黄金のリンゴを持ってたりしてくれると分かるのだけどこの絵の中ではまだ手にしていません。 キューピッドも遠くの方にいる。。。「でもきっと彼女じゃないかな~」と目星をつける。

さて、判定を下すのはパリス。

そこで女神たちはそれぞれ約束をしてパリスを買収しようとしたのです。いつの世も変わらないなあ。 これって賄賂じゃん。
この時点で純粋な美の競争ではない(苦笑)。ま、しょうがない。

アテナは「戦場での誉れと名声」を、ヘラは「権力と富み」を、
ヴィーナスは「人間の中で一番美しい女性」をそれぞれパリスに約束。

男子であればいかにも憧れそうな「戦場での誉れと名声」と「権力と富み」。でもパリスは迷うことなくヴィーナスに軍配を上げた。

若い美男子パリスが今一番欲しいのは「 美しい女性」 だろうと読み切った ヴィーナスお見事。 「最も美しいもの」 になるためには、 やはり美貌に加えて知恵と勘が重要なのねとつくづく。

ここでもう一度絵をしっかり見てみます。
さあ、 ヴィーナスは 3人のうちのどの方?ふふふ!

パリスと同じように大きな帽子をかぶり、 自信満々にキューピッドを指さしている女神ですよね!

優雅なヴィーナスらしい一枚

フランソワ・ブーシェ《ヴィーナスの化粧》1751年 展示風景

これこそ我らがヴィーナス!輝く裸体に美しいお顔。 画面全体から麗しい色香が溢れ出てきます。
3人のキューピッドと二羽の鳩をはべらせ、 キューピッドたちが、 戯れながらもヴィーナスをせっせと飾り立てていきます。
こうやって毎日 時間をかけてアートのように髪型をセッティングして、 無限にバリエーション豊かなジュエリーのコーディネーションを楽しむ。

出来上がった頃に、 素敵な男性がやってきます。
いいですね~♪
こんなヴィーナス状態を思い描きながらお化粧して出かけましょ♪

きっとモテモテ!
さあ皆さん、 いてもたってもいられなくなったでしょう?
メトロポリタン美術館展へレッツゴー!

すみっコぐらしのヴィーナス

そうそう、すみっコぐらしとのオリジナルコラボレーショングッズもお見逃しなく!すみっコぐらしにかかるとヴィーナスもこうなるか~! という感じ。

本展に出品されている作品をモチーフにした衣装をまとった「てのりぬいぐるみ」は5種類で各1430円(税込)

【ブーシェ】の《ヴィーナスの化粧》、どちらかわかりますか?なんと、水色のとかげ君。 ハロウィンのお化けくんか~! と言いたくなりますが、真珠を身につけ、鳩を抱いています。。。さすが!!

※プレス向け内覧会にて許可を得て写真撮影しています。

【展覧会基本情報】
タイトル:メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年
会期:2022年2月9日~5月30日
会場:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:10:00~18:00(金土~20:00)※入場は閉館30分前まで。最新情報は展覧会ホームページ(https://met.exhn.jp/)にて要確認
休館日:火(5月3日は開館)
料金:一般 2100円 / 大学生 1400円 / 高校生 1000円 / 中学生以下無料。混雑緩和のため、事前予約制(日時指定券)を導入。詳細は展覧会ホームページへ

評者: (KIKUCHI Maiko)

アーティストと交流しながら美術に親しみ、作品の鑑賞・購入を促進する企画をプロデュースするパトロンプロジェクト代表。東京大学文学部社会学科修了。
英国ウォーリック大学「映画論」・「アートマネジメント」両修士課程修了。
2014年からパトロンプロジェクトにて展覧会やイベントを企画。2015年より雑誌やweb媒体にて美術記事を連載・執筆。
特に、若手アーティストのネームバリューや作品の価値を上げるような記事の執筆に力を入れている。

主な執筆に小学館『和樂web』(2021~)、『月刊美術』「東京ワンデイアートトリップ」連載(2019~2021)、『国際商業』「アート×ビジネスの交差点」連載(2019~)、美術出版社のアートサイト 「bitecho」(2016)、『男子専科web』(2016~)、など。

主なキュレーションにパークホテル東京の「冬の祝祭-川上和歌子展」(2015~2016)、「TELEPORT PAINTINGS-門田光雅展」(2018~2019)、耀画廊『ホッとする!一緒に居たいアートたち』展(2016)など。」

https://patronproject.jimdofree.com/

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