前編で、白井屋ホテルに生息する様々なアート達に挨拶した私達は、ホテル1階の「the RESTAURANT」に向かいます。
「フロリレージュ」のオーナーシェフ川手寛康さんが監修するメインダイニングです。
地元群馬出身の片山ひろシェフが、「フロリレージュ」をはじめとする
国内外の名店での2年間にも及ぶ研修を経て腕を振るってくれる場所!
席につくと、「今日はよろしくお願いします!」とスーパー感じよく挨拶声をかけてくださったのが、ソムリエの児島由光さん。都内のコンテンポラリーレストランとはまた一味違ったフレンドリーさを感じます。「今夜はいろいろ話しかけてもいいのね♪」と内心ニンマリ♪
全て、群馬県地産地消の素材が活かされた郷土料理「上州キュイジーヌ」。どんなストーリーが飛び出すのかめ
「最初の一品は、敢えてお酒とペアにせずお召し上がりください」とちょっと意味深な一言。
真っ白な球体から出てきたのは、コンソメスープ!なんともシンプルな一品です。
シンプルなこのスープ、実は思いやりに満ちた一品です。確かに、群馬の街をガシガシ歩いて旅してきた体には、定番の冷たい食前酒ではなく、温かいスープの方がやさしい。ふわっと回復して、シェフが織り成す今宵限りの一品一品に向き合う準備ができるのです。
この石庭の一品が、先月山梨で訪れた建築作品《和心》の石庭の記憶をよみがえらせる!アートイマジネーション連鎖反応です。
3品目は、「山女魚」。。。のはずなのですが、姿は見えず。。。愛・地球博の公式マスコットキャラクター「モリゾー」のようにグリーンづくし。
「山女魚」は結構生臭いので、ペアリグむずかしそ~と思い一口。。。スッキリ♪さすがです~♪
ソムリエの児島さんが、このワインは、とてもしっかりとした良い土壌でできたぶどうから作られています。僕もびっくりしたんですよ~。と合いの手。
そうか~。またまた、先月、生まれて始めて訪れた山梨のビンヤード(ブドウ農園)で踏みしめた土壌の感覚が蘇ってきましたよ。良いブドウは、固い地層を何層もつらぬく長~い根っこが何種類ものミネラルを吸ってできるのですよね!
4品目の「OKIRIKOMI」とは?「「おきりこみ」って知ってますか?」と児島さん。「うどんですよね?」とおもむろにダンナ登場。意外と食材や料理に詳しくて、たまに驚く(笑)。今回も当たり~。
おきりこみとは、群馬郷土料理ので、野菜と肉の煮込みうどんとのことですが。。。
どこがうどんなの~?
うどんは、この輝く生ハムのしたに、ぬめっと隠れている一枚。ピューレのソースと、ゴボウの泡ソースを合わせていただきます。
「OKIRIKOMI」とローマ字で表現したそのココロがわかってきました。
更に意表をつかれたのが、マデラ 酒!
トロっとするほど濃厚でデザートワインのように甘いのですが、この生ハムやうどんにピッタリ~。児島さんすごいです。
そうこうする間も、キッチン周りに座ってお食事を楽しむ他のお客さんとも様々な会話を展開する児島さん。たまに聞こえてきたりして!
向こうのカップルは、男性が熱心に女性を口説いているよう(に聞こえる)。隣の女性は1人客で、ノンアルコールのペアリングを楽しんでいる。
このそれぞれのプチドラマが、厨房のクッキングと同時進行で展開されているのが面白い。そんな風に面白がっている私達も、実は変な質問をするずっこけカップルみたいな感じで観られているのかもしれない。。。(苦笑)
児島さんは、フロリレージュでもソムリエをなさっていたのですね。 私たちも4~5年前に一度行ったのでもしかしたらその場で出会っていたのかもとまた盛り上がる。
そこに、お仕事もひと段落ついてきた片山シェフも会話に加わってくれました。
「お料理も、今こうやってお話ししている時間もアートですよね〜」と語りかけると、「でも私が習った料理学校では、「料理人はアーティストではない」と教わったのですよ」と シェフ。
「え〜っ!!!」と私。 「料理人は料理と言う品を販売しているので、アーティストではない。でもアーティストに最も近いところにいなければいけない。ということでした 」とシェフ。
「何てきわどい立ち位置!難しいですよね〜」とまた盛り上がりつつ、
「でもフロリレージュでは、料理人は表現者だよねてことになっていました」とシェフ。
よかった〜! 「そうですよね〜!」「ね〜!」 とみなで言い合いながら、ハッピーなフィナーレとなりました。
素敵な劇場型アートディナーをありがとう☀