川端龍子の大作が生まれたアトリエからカフェまで! 西馬込アート散歩

アート界は日常のそこかしこにまぎれています。
なぎさ と まいこは、歩いていてふと気づくとそんなアート界に足を踏み入れていることがあります。

今回は日本画家の巨匠川端龍子のゆかりの地である西馬込。
駅からのどかな住宅街を通り抜けて15分ほど歩くと、龍子さんが住み、毎日絵を描いていた居宅がそのまま残っています。
今は「龍子公園」になっていて1日3回入れると言うので、11時から入ってみました。
門をくぐるとすぐに目に飛び込んできたのが『爆弾散華の池』ムムッ聞いたことがある!『爆弾散華』とは、金色に輝く閃光とともにトマトやナスの花が吹き飛んでいる、美しくも悲しい、龍子の傑作。

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爆弾散華の池

川端龍子《爆弾散華》1945年、大田区立龍子記念館蔵

川端龍子《爆弾散華》1945年、大田区立龍子記念館蔵

この絵の名前が池になっているってどういうこと?
なんと、まさにこの池の位置に龍子さんの家があったのだけど、第二次世界大戦の爆弾が直撃して大破した跡なのだそう!
もちろん彼は大ショックだったけど、その大きな窪みに湧き水を溜めて、池にしようと決心したとのことです。

この発想の転換素晴らしいですよね。大打撃を糧にして既存の概念を超越したものを生み出す!おかげで70年以上後にここに立つ私達に感動をもたらす。
池を見ているうちに、この池が『爆弾散華』の絵にも見えてきました。
画家のなぎさは、「花が生けてあった花瓶を倒してしまった時、「あ~どうしよう」と焦る気持ちと同時に、こぼれた水の流れや投げ出された花々に見とれて描きなくなる」とポツリ。二人の画家がここでつながった~!

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池を離れると、至る所に龍子の美意識あふれるデザインが施されています。
龍子の旧宅も、爆撃と爆風に耐えて少しも損傷しなかったアトリエも、
持仏堂も、客間も!
中でも目立つのは、龍子の龍にちなんだ龍のモチーフです。
例えばこんな石畳。

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龍の鱗柄の石畳

形も色も違うけど、心地よいリズムを奏でるこの柄は、龍の鱗柄。

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龍の鱗柄の石畳

土や苔を活かした、自然石の鱗柄石畳も!
その他にも、木の扉や壁など、様々なポイントにさりげなく鱗紋を入れています。長~くうねった龍のしなやかな美と、天に登る力強さが龍子さんご自身にも宿っていたことが伝わってきます。

広さ6畳、天井高4mで全面ガラス張りのかっこいいアトリエはそのまま。
9時から21時までここで制作していたのか~。
横幅10m近い大作など、大画面の作品を次々と発表して人々をあっと言わせる『会場芸術』はここで生まれたのですね。大正・昭和期のチームラボか?!当時の人々には刺激的すぎたかな???

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川端龍子のアトリエ

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川端龍子のアトリエ

お庭には、13重の塔があったり、ボケの実やカキの実が自然のままになっていたり。日本画の桃源郷を訪れたような浮遊感もあります。

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さて、これから私たちは、池上本門寺に向かいます。なぜかというと、その大堂には龍子さんの天井画があるというのです。
ススキが綺麗な、「龍子公園」お向いの「龍子記念館」に立ち寄って『爆弾散華』を拝見してから池上本門寺へ!

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龍子記念館

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龍子記念館の看板

20分ほど歩くと、池上本門寺に到着。想像以上に広々とした敷地に、お堂もいくつかあります。「龍子の天井画は赤いお堂の中ですよ」と教えてもらいました。

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池上本門寺の門。奥に見えるお堂に龍子の天井画が!

お堂の入口をくぐってすぐに上を見上げると。。。いた!!!
龍子さんの龍です。波のようにも炎のようにも見えるなびくような筆致で描かれている龍。絶筆だそうです。
写真撮影はできないのですが、かっこいいですよー!
実は、龍子さんが眼を描き入れずに亡くなったので、眼を描いたのは奥村土牛さんなのだそうです。ひときわ眼光するどいな~。

ところで、午前中からガシガシ歩いてきた2人は、とてもおなかがすきました。まいこはカフェフェチで、西馬込駅すぐ近くのステキなカフェ情報をゲットしていたのでなぎさを誘います。
15分ほど歩くと、屋根につたの絡んだお家のようなカフェ、yohak(ヨハク)に到着。

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yohak(ヨハク)カフェの外観

かわいらしい木のドアを開けて入ると、シンプルな内装だけど冷たくない。
yohakという不思議な名前とあいまって、またまた私達を不思議な世界へといざなってくれます。北欧デザインを感じてフィンランド映画の話をしたり、yohakって「余白」なのかなと想像を膨らませたり。

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今日はとても寒い日だったので、まいこは迷わず「レンズマメと豚肉のスープとサンドイッチ」のセットに。なぎさは、「ハムときゅうりのサンドイッチ」。

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レンズマメと豚肉のスープにはキャベツや豆苗など野菜たっぷり

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セットでついてきたクリームチーズと蜂蜜のサンドがカリカリでおいしい

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ハムときゅうりのサンドもカンパーニュの酸味がきいてGOOD!

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ポカポカ家庭に招かれて食卓を共にしているハッピーな気分

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アートとおいしいお食事ですっかりハッピーな、なぎさ と まいこ

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レモンケーキもいただきました~🍋
上に乗っているクロテッドクリームに濃厚なレモン味がついていて、やさしいケーキと絶妙なコンビネーション

アートの旅はこれからも続きます!

【龍子記念館 基本情報】
開館時間:9:00から16:30まで
月曜休館:月曜日が祝日の場合は月曜日開館し翌日休館、展示替期間・年末年始休館
入場料:一般(16歳以上) 200円、6歳以上 100円、65歳以上・未就学児 無料、特別展はイベントにより異なる
アクセス:〒143-0024 東京都大田区中央4-2-1
電話: 050-5541-8600 ファックス: 03-3772-0680

【龍子公園 基本情報】
所在地:南馬込四丁目49番11号
交通: 都営浅草線西馬込駅下車徒歩15分

【yohak(ヨハク)基本情報】
住所:東京都大田区西馬込2-7-2
TEL:03-6316-0145
営業時間:11:00〜17:00
定休日:日・水曜
HP:https://www.instagram.com/yohak_tokyo
CafeSnap みんなの投稿>>https://cafesnap.me/c/5918

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評者: (KIKUCHI Maiko)

アーティストと交流しながら美術に親しみ、作品の鑑賞・購入を促進する企画をプロデュースするパトロンプロジェクト代表。東京大学文学部社会学科修了。
英国ウォーリック大学「映画論」・「アートマネジメント」両修士課程修了。
2014年からパトロンプロジェクトにて展覧会やイベントを企画。2015年より雑誌やweb媒体にて美術記事を連載・執筆。
特に、若手アーティストのネームバリューや作品の価値を上げるような記事の執筆に力を入れている。

主な執筆に小学館『和樂web』(2021~)、『月刊美術』「東京ワンデイアートトリップ」連載(2019~2021)、『国際商業』「アート×ビジネスの交差点」連載(2019~)、美術出版社のアートサイト 「bitecho」(2016)、『男子専科web』(2016~)、など。

主なキュレーションにパークホテル東京の「冬の祝祭-川上和歌子展」(2015~2016)、「TELEPORT PAINTINGS-門田光雅展」(2018~2019)、耀画廊『ホッとする!一緒に居たいアートたち』展(2016)など。」

https://patronproject.jimdofree.com/

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