1990年の鮮烈なデビューから2003年まで。世紀末を世界をサヴァイヴァルした彫刻群
世紀末の彫刻 1990-2003 ヤノベケンジ
『SCULPTURES AT THE END OF THE CENTURY 1990-2003 KENJI YANOBE』
□ 著者:ヤノベケンジ
□ 判型:A4
□ 総頁:60頁
□ 2,000円+税
発行:eTOKI
*初版:2024年2月
*販売情報:銀座蔦屋書店、大阪中之島美術館ミュージアムショップ、金沢21美術館ミュージアムショップ
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1990年、自刻像であると同時に、隔離タンクの中で瞑想できる体験型の作品《タンキング・マシーン》で鮮烈なデビューを果たした現代美術作家、ヤノベケンジ。
戦後の日本で育まれたサブカルチャーの美学を、現代アートにいち早く取り入れ、乗ったり、動かしたり、装着したりできる機能性を持った機械彫刻を次々に発表。「現代社会におけるサヴァイヴァル」をテーマに、それまでの現代アートの常識を覆してきた。
また、1997年には自作の放射線感知服《アトムスーツ》を着用し、原発事故後のチェルノブイリなどを探訪する《アトムスーツ・プロジェクト》を敢行。美術館やギャラリーなどの美術制度に庇護されていない社会の中で、自身の作品の可能性を追い求める。
「未来の廃墟」と名付けた大阪万博の解体現場を遊び場として育った少年は、終末観が覆いつくす「世紀末」の中で、どのように想像力と創造力を発揮して生き延びたか―。
本作は、1990年から2003年までに制作されたヤノベケンジの彫刻作品を網羅し、社会的背景や当時のアートシーンを概観する待望の一冊です。一人ひとりが「サヴァイヴァル」を求められる厳しい社会に突入した今、改めて「世紀末」のヤノベの作品の価値が伝わるのではないでしょうか。